第4回上野村研究会

秩父通過儀礼
第4回上野村研究会が開催されました。3月19日19時より、参加者8名。
民族文化映像研究所姫田忠義氏が制作した「秩父通過儀礼(DVD)」を鑑賞しました。
姫田氏は、30〜40年かけて、消えてしまう民族風習等を映像に収めてきました。非常に貴重なフィルムでNHKなども借りて放映しているということ。秩父通過儀礼は1979年に撮影したもの(昨年DVD化、実は非常に高額。秩父だけで10万円。全部集めると1000万円)。
通過儀礼とは人の成長段階に応じて行われる様々な儀礼をいいます。
そもそも、村で生きていくのに必要なことを、儀式を通して教えていく。村の濃密な人間関係の中で一人前に暮らして行けるような人を作り上げるのに重要な役割を果たしています。

第一巻、安産祈願から帯解きまで(誕生前から7歳まで)を鑑賞。
・安産祈願(腹帯)
・自宅のお産(産室、産湯、オボの飯、後産処理)→昭和35年ごろまで秩父
・3日目 雪隠参り
・7日目 赤抱き、オベエアキ(お産明け)
・100日目 お食い初め

命名節句、疱瘡送り、七五三

後産を出入口の敷居の直ぐ前に埋める、両隣の便所の神様を参る、犬の字を額に書く、鶏の絵を逆さにして張るなど、印象的な光景ばかり。
数百年前から続いてきている、こうした様々な儀礼が、ここわずか数十年で殆ど無くなってしまっていることに、寂しさを感じます。